付録-7.Windowsクライアントの個体識別

Windowsクライアントの個体識別について説明します。

本サービスでは、クライアント識別情報(クライアントID、クライアント識別子)を基に各クライアントを管理しています。

クライアントID(クライアントごとの固有の値)は、クライアントが初回システムサーバーと通信したタイミングで生成されます。クライアント識別子は、MACアドレスを基に発行されます。

クライアント識別情報は、クライアントの以下のレジストリに保存されています。

クライアントID:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Quality\ISMC\ISMCClient\ClientID

クライアント識別子:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Quality\ISMC\ISMCClient\IndividualID

 

付録-7-1.再インストール時の動作

クライアントプログラムをアンインストールしても、クライアントからクライアント識別情報(レジストリ)は削除されません。また、ユーザーコンソール上からクライアント情報は削除されません。これらの情報は、手動で削除する必要があります。

クライアントからクライアント識別情報を削除していない、かつユーザーコンソール上からクライアント情報を削除していない状態でクライアントプログラムを再インストールした場合は、同じクライアントIDが割り振られ、同一のクライアントとして管理されます。

クライアントからクライアント識別情報を削除し、ユーザーコンソール上からクライアント情報を削除していない(運用/休止)状態でクライアントプログラムを再インストールした場合は、サーバー側のクライアント識別子の設定が有効かどうかで、同一のクライアントとして管理されるか、新規のクライアントとして管理されるかの動作が異なります。

クライアント識別子の有効/無効の設定は、ISM600U_運用設定アイコン.png→[基本ポリシー]→[システム設定]→[Windowsクライアント設定]の[クライアント識別子を有効にする]で設定できます。

クライアントIDの割り振られ方の違いについては、次の表のとおりです。

表 付録-7-1.クライアントIDの割り振られ方

クライアント識別子の設定状態

クライアントのステータス

クライアント
識別情報の有無

説明

有効

運用/休止

あり

同じクライアントIDが割り振られ、同一のクライアントとして管理されます。

サーバーに登録されているクライアントのMACアドレスと、クライアントプログラムを再インストールする端末のMACアドレスを比較し、サーバーに登録されているクライアントIDを割り振るためです。

クライアント識別子を有効にすることで、同一のクライアントを別のクライアントとして管理する(1台のクライアントに対してライセンスを2つ消費する)ことを防ぐことができます。

なし

削除

あり

新しいクライアントIDが割り振られ、新規のクライアントとして管理されます。

なし

無効

運用/休止

あり

同じクライアントIDが割り振られ、同一のクライアントとして管理されます。

なし

新しいクライアントIDが割り振られ、新規のクライアントとして管理されます。

この場合、ユーザーコンソールに同一のクライアントが2台登録されている状態になるため、ライセンスを2つ消費します。重複するライセンスを解放するには、不要なクライアントを削除してください。

参照.png   3-13. 管理不要になった端末をユーザーコンソール上から削除する

削除

あり

新しいクライアントIDが割り振られ、新規のクライアントとして管理されます。

なし

重要.png   クライアントの個体識別機能について

この機能はWindowsクライアント(スタンダード/オンデマンドクライアント)のみ対象となります。

ユーザーコンソール上からクライアント情報を削除した場合、クライアント識別情報をサーバーから再取得することはできません。

MACアドレスによる識別を行うため、1つのネットワークカードを複数クライアントで使用、5つ以上のネットワークカードの常時使用、MACアドレスの動的生成、スタンダード/オンデマンドクライアントを1台のクライアントにインストールしている等の環境では、正しく機能しないことがあります。このような場合は、クライアントIDが重複する可能性があるため、この機能を使用しないようにしてください。

 

付録-7-2.新規のクライアントとして管理する場合

クライアント識別子が有効の場合は、MACアドレスによる識別を行うため、1つのネットワークカードを複数クライアントで使用しているような環境では、複数のクライアントに同じクライアントIDが割り振られることがあります。

この場合、最後にそのクライアントIDが割り振られたクライアント以外、サーバーと通信できません。これは、インベントリが収集されるたびに、ユーザーコンソール上の1つのクライアントのインベントリが複数のクライアントのインベントリによって上書きされることを防ぐためです。

同じクライアントIDが割り振られたクライアントをそれぞれ別のクライアントとして管理する場合は、クライアント識別子を無効にしたうえで、該当のクライアントからクライアントプログラムのアンインストールとクライアント識別情報の削除を行ったあと、クライアントプログラムを再インストールします。

スタンダード/オンデマンドクライアントをインストールしている端末を新規のクライアントとして再登録する手順は、次の表のとおりです。

表 付録-7-2.新規のクライアントとして登録する手順

STEP

作業

参照先/作業詳細

ISM600U_運用設定アイコン.png→[基本ポリシー]→[システム設定]→[Windowsクライアント設定]の[クライアント識別子を有効にする]のチェックを外す

参照.png   11-5-9. システム設定

設定同期を実行する

 

ユーザーコンソール上からクライアントを削除する

参照.png   3-13. 管理不要になった端末をユーザーコンソール上から削除する

スタンダードクライアントをアンインストールする

参照.png   付録-13-1. スタンダード/リンククローンクライアントをアンインストールする

オンデマンドクライアントを削除する

参照.png   付録-13-2. オンデマンド/スタンドアロンクライアントを削除する

個体識別情報を削除する

次のレジストリキーを削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Quality\ISMC\
ISMCClient

スタンダードクライアントをインストールする

参照.png   10-3-1-1. スタンダードクライアントをインストールする

オンデマンドクライアントを実行する

参照.png   10-3-1-3. オンデマンドクライアントの実行ファイルを作成する